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ペチューニアのクリスマス
 
 
【2013/02/16 09:25】
 
 
ペチューニアファンには、必須。
でも、ちょっと・・
ペチューニアのクリスマスペチューニアのクリスマス
作・絵:ロジャー・デュポワザン 訳:伏見 操

復刊ドットコム 2012-11-09
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絶版だった絵本が出版されて、喜んでいたのですが、
そのままの出版であればよかったのに、
手を加えられたことをどう受け止めるか、
複数の方で、見てみました。

大きく違うのは、翻訳が変わったこと、白黒の場面に色がついたこと。

表紙も、ちょっと手を加えられたこと。


物語は、がちょうのペチューニアがすてきなオスがちょうにあったことから始まります。

そのオスがちょうは、クリスマスに食べるために小屋に入れられていました。
彼のことが大好きになったペチューニアは、小屋から出す方法を考えます。

ペチューニアが考えた方法は、ドラゴンにばけて、えさをやりに来た農家のおかみさんを脅かして、
鍵が開いているうちに逃がす算段です。

この計画は、結局失敗に終わるのですが、めげずに次の方法を考えるペチューニアです。

そして、最後は、最高のハッピーエンドが待っているというお話です。



一番気になったのが、
この最初の脅かす場面なのですが、ペチューニアがせっせとドラゴンのお化粧をして、
きつねも驚いて逃げ出すほど、こわいメイクになります。

原書では、白黒なので、いったいどんな色使いなんだろうかと想像が膨らみます。
だから、次のページが楽しみになります。
そうして、ページを開いたら、
大迫力のペチューニアが迫ってくる、という展開なのですが、

非常に残念なことに、新版では、白黒のページがありません。
なので、化粧をしているところで、すでに色使いがばれています。

色を使っているので、色がついたほうがいいと考えられたのでしょうか。

そして、さらに残念なことに、大迫力のペチューニアが新版では、一回り小さくなっていることです。

画面から、はみ出ているはずの羽が書き足されているし、バランスをとるためか、
画面したのほうに白い空間があります。

数センチの違いですが、印象はかなり違います。


作者の思いが削られている気がします。



翻訳は、少々大人っぽい語りで、文章が長いです。
旧版のすっきりとした短い文章でもしっかり伝わるところと印象が違います。

翻訳も、個性なので、多少の違いはしょうがないかなとは思いますが、
どちらが受け取りやすいか、比べるとよくわかります。

さきほどの絵にしても、旧版と比べなければ、わからなかった(気がつかない)ことです。



なにがいいたいかと言えば、絵本の作品としての内容はとても良い絵本ですので、
一度手に取って見て、ご自分で判断して欲しいなと思っています。


特に「がちょうのペチューニア」の一連のシリーズが好きな方は、独身だったペチューニアが、次の絵本では、結婚して子どももいる状態になっているのが、不思議だったと思います。その大切な結婚のお話が描かれているこの絵本は、欲しくなると思います。


   子どもたちが、どう受け取るのか。そこが一番知りたい。


やっぱり、翻訳絵本は、原書にいかに近づけるか、作者の思いをどれだけ汲み取れるか、
そこに一番、気を使って欲しい。

新版の表紙の絵に、輪飾りが書き加えられているのですが、
ペチューニアだけでは、手に取らないと思われたのでしょうか。
実際そうかも知れませんが、作者デュボアザンの他の絵本に見慣れていると、
この表紙は奇異に感じます。


もっと、絵本の力を信じて欲しい。
手に取る人の力を信じて欲しい。


ということで、今回ばかりは、おすすめしたいでも・・
なので、手に取られた方の判断におまかせします。

もし、次回出版されるなら、
ぜひとも、最初の形に戻して欲しい。
そう願わずにはいられません。
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テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

 
 
 
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