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「アジアの昔話」
 
 
【2012/12/13 18:40】
 
 
近くて遠いアジア。

アジア人のアジア人による、アジア人のためのはじめての本。
子どもに語る アジアの昔話〈1〉子どもに語る アジアの昔話〈1〉
松岡 享子

こぐま社 1997-02
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この本は、ユネスコの国際図書年に、

「アジアの人びとがおたがいをもっと理解しあって平和に暮らしてゆくため、
アジア人のために共通読み物を、アジア人の手でつくろう」

という思いから始まった本です。


以前は、福音館書店から、6冊出版されていましたが、絶版になり、

現在は、6冊の中から抜粋してこぐま社から、2冊出版されています。


バングラディッシュ、アフガニスタン、フィリピン、イラン、マレーシアなどなど、

様々なアジアの国の昔話が入っています。

そのお国柄なのでしょうか、ゆかいな話や、せつない話など、こちらも様々。

特におもしろいのは、「かしこすぎた大臣
まるまるふとったばかな王さまと
ひょろひょろにやせた、かしこい大臣のお話です。

いのししを初めてみた王さま、
大臣に「これはなんという生き物じゃ?」と聞きます。
大臣は「陛下のゾウ小屋のゾウです。
係りがきちんとえさをやらなかったので、このような姿になりました。」と答え、
ゾウに十分食べさせるためという名目で、お金をたくさん引き出します。
そして、係りの人は、ひどい目にあってしまいます。

という具合に、おばかな王さまをいいように利用します。
とても、理不尽なことです。
ところが、題名にあるように”かしこすぎた”ため、
大変なことになってしまうのです。


「ちっちゃなゴキブリのぺっぴんさん」(イラン)なんとも惹かれる題名です。
 日本のねずみの婿探しのような話で、動物なぜ話になっています。

「カオ兄弟の物語」(ベトナム)昔話にはめずらしい、悲恋物語です。

どれも読むと、とても印象に残るお話が多いです。

アジアの色々な国のことを考えながら読んでみるのも楽しいです。

アジアの世界にひたってみませんか?


旧版では、カラーの挿絵が付いていました。その国の方が描かれていて、

その国らしい絵が添えられていましたが、

新版では、物語の最初のページに白黒の絵があるだけになりました。

そりゃあ中には、挿絵がないほうがイメージがこわれずいい、というものもありますが、
この挿絵は、カラーで全部みたいよねーというのもあります。

そしてなにより、いけないのが、字のサイズが小さくなっていることと、
ルビが全部についていないこと。
子どもにどちらがいい?と、新旧2冊を見せると、
上記の理由で、旧版のほうがいいとのこと、
4年生ですら、すべてに振り仮名が欲しいのです。
学力低下を気にするならこういうことも、気にして欲しいものです。

再販に対する不満はありますが、
なにより、この本が無くならなかったことに感謝します。

たくさんの子どもたちが、アジアの国々を知るきっかけになればいいなと思います。

2006.4月 と
2011.7月 に、書いた記事を、あわせてみました。
当時のままの文章なので、文体が統一していないです。
それも、おもしろいかなと。
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