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「アーサー・ランサムのロシア昔話」
 
 
【2013/03/01 13:02】
 
 
ロシアの昔話が、

  アーサー・ランサムという作家の語りでよみがえる。
アーサー・ランサムのロシア昔話アーサー・ランサムのロシア昔話
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この中の「鳥とけものの戦争」は、

ロシアの昔話では、おなじみのイワンという青年が主役で、

題名にあるように、鳥と獣がささいなことからけんかを始めます。

お互いに傷を負い争いが終わります。

そんな中、火の鳥を助けたイワンは、火の鳥の妹、小さな王女にであいます。

鳥と獣は、境なく地上で暮らしていましたが、

この戦いのあと、別々のところに住むようになり、戦うこともなくなったそうです。

火の鳥がでてくるところなど、昔話らしいお話です。


「白鳥の王女」は、日本の「鶴の恩返し」に似ています。

ただ、いなくなる様子が、違います。

白鳥の群れから、いっしょに行こうと誘われるのです。

父親、母親、兄と声をかけられても、


「小さな息子も、愛する夫もいますから」と断るのに、

元彼から声をかけられたときに、彼女は、飛び立とうとします。

しかし、イワン王子(夫)は、彼女をしっかりつかまえます。

彼女は、「あなたが私をつかまえたりしなかったら・・・。」

白鳥のときに、イワン王子に捕まったことを苦言します。

でも、その後は、幸せに暮らしたそうです・・・。



「高価な指輪」は、遺産の指輪と妹を取り返すために苦労する三兄弟の話です。

『馬鹿息子には遺産をわたすな。なんのためにならないからな』

という、母親の言葉がポイントでしょうか。


「貧すれば貧するという話」は、「金の卵を産むがちょう」と似ています。

毎週一枚の金貨が出てくるお椀をもらった夫婦。

それで満足すればよかったのですが、

「人間の心というものは・・・きりもなく金をほしがる。」という

言葉が、なんとも重く心にのしかかります。



「兵隊と死神」 悪魔にも、死神にも恐れられ、天国にも入れなくなったいきさつとは。



「二人の兄弟」 浦島太郎のように、3本のろうそくが燃え尽きると、300年過ぎていた。

しかし、地上をさまようことなく、仲の良い兄弟がちゃんと呼んでくれた。

『生きている人たちが不幸なのは、正しい生き方を知らないからだよ。』

では、正しい生き方とは?

『金持ちも貧乏人もなく、強い者も弱い者もいない、
        だれもがみな、おたがいを兄弟とよぶ。』

しかし、これは、いまだにできていない、

最後に物語は、この言葉で終わっている。

『ろうそくが一本も燃えつきるごとに、この世界は、百歳年をとる。

     しかし、ちっとも賢くなっていない。』

昔話という伝承に、アーサー・ランサムの深い言葉が加わり、
心理的に深い内容となっています。



アーサー・ランサムの作品で、下記の本もあります。

「ピーターおじさんのロシアの昔話」
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ほかに、絵本があります。

「空とぶ船と世界一のばか」
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ばか・・とは、ストレートですが、

仲間のおかげで、助かるお話です。

2010.3.1の記事に、加筆して画像を入れ替えました。
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テーマ:児童書 - ジャンル:本・雑誌

 
 
 
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