「ベラスケスの十字の謎」 | ||||
【2013/03/30 10:36】 | ||||
この絵は、一度は、見たことがあるのではないでしょうか。
実在の絵に秘められた謎に迫る物語です。 スペイン王フェリーペ4世の時代。 宮廷画家のベラスケスと、 この宮廷に連れて来られてた、大きくなれない少年ニコラス。 親に捨てられたも同然となった少年の心の成長と、 ベラスケスの絵に対する思いから、自分の命をもかけてしまう情熱。 題名にある十字は、サンティアゴ騎士団の赤い十字の紋章のことで、 騎士団に入っていないベラスケスの胸に、なぜ十字が描かれていたのか。 なぜ、宮廷の絵なのに、王の絵は、鏡の中なのか。 なぞが、気になってしょうがない。 思わず魅入ってしまう、絵画です。 2009.7.21の記事に加筆、画像を変更しました ![]() にほんブログ村 |
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つぐみのひげの王さま | ||||
【2013/03/17 11:25】 | ||||
後悔をわかりやすく物語っています。
グリム童話です。 挿絵は、あのセンダックです。 物語は、王女のところに求婚に来た王子たちをことごとく、 悪口を言って追い返すという、わがままな王女の姿から始まります。 あまりにも、ひどい王女の様子をみかねた王様は、 「最初に来たこじきに、お前をやることにする」といいます。 そして、本当に王女は、こじきとともに、城を追い出されるのです。 こじきの家についた王女は、家の仕事をさせられますが、 王女にできるはずがありません、さんざん苦労して、後悔します。 そして、どうやってハッピーエンドになるのかが、楽しい展開です。 センダックの独特の世界観が、またこのお話を面白くしています。 お話が始まる前に、この物語の劇をするため、出演者を募集しています。 そうして、物語が始まります。それはまるで演技をしているかのよう。 最後には、満足して帰る二人の姿もいいです。 中学生の娘が、久しぶりに読み聞かせしてというリクエストに選んだのですが、 お話の展開が、中学生だなあと感じました。 なんていうのか、それまでのわがままが、許されなくなるというのか、 社会の荒波にもまれつつある、未熟な年齢。 大変だけど、いつかは、ハッピーエンドになることを信じて。 |
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「アーサー・ランサムのロシア昔話」 | ||||||
【2013/03/01 13:02】 | ||||||
ロシアの昔話が、 アーサー・ランサムという作家の語りでよみがえる。
この中の「鳥とけものの戦争」は、 ロシアの昔話では、おなじみのイワンという青年が主役で、 題名にあるように、鳥と獣がささいなことからけんかを始めます。 お互いに傷を負い争いが終わります。 そんな中、火の鳥を助けたイワンは、火の鳥の妹、小さな王女にであいます。 鳥と獣は、境なく地上で暮らしていましたが、 この戦いのあと、別々のところに住むようになり、戦うこともなくなったそうです。 火の鳥がでてくるところなど、昔話らしいお話です。 「白鳥の王女」は、日本の「鶴の恩返し」に似ています。 ただ、いなくなる様子が、違います。 白鳥の群れから、いっしょに行こうと誘われるのです。 父親、母親、兄と声をかけられても、 「小さな息子も、愛する夫もいますから」と断るのに、 元彼から声をかけられたときに、彼女は、飛び立とうとします。 しかし、イワン王子(夫)は、彼女をしっかりつかまえます。 彼女は、「あなたが私をつかまえたりしなかったら・・・。」 白鳥のときに、イワン王子に捕まったことを苦言します。 でも、その後は、幸せに暮らしたそうです・・・。 「高価な指輪」は、遺産の指輪と妹を取り返すために苦労する三兄弟の話です。 『馬鹿息子には遺産をわたすな。なんのためにならないからな』 という、母親の言葉がポイントでしょうか。 「貧すれば貧するという話」は、「金の卵を産むがちょう」と似ています。 毎週一枚の金貨が出てくるお椀をもらった夫婦。 それで満足すればよかったのですが、 「人間の心というものは・・・きりもなく金をほしがる。」という 言葉が、なんとも重く心にのしかかります。 「兵隊と死神」 悪魔にも、死神にも恐れられ、天国にも入れなくなったいきさつとは。 「二人の兄弟」 浦島太郎のように、3本のろうそくが燃え尽きると、300年過ぎていた。 しかし、地上をさまようことなく、仲の良い兄弟がちゃんと呼んでくれた。 『生きている人たちが不幸なのは、正しい生き方を知らないからだよ。』 では、正しい生き方とは? 『金持ちも貧乏人もなく、強い者も弱い者もいない、 だれもがみな、おたがいを兄弟とよぶ。』 しかし、これは、いまだにできていない、 最後に物語は、この言葉で終わっている。 『ろうそくが一本も燃えつきるごとに、この世界は、百歳年をとる。 しかし、ちっとも賢くなっていない。』 昔話という伝承に、アーサー・ランサムの深い言葉が加わり、 心理的に深い内容となっています。 アーサー・ランサムの作品で、下記の本もあります。 「ピーターおじさんのロシアの昔話」
ほかに、絵本があります。 「空とぶ船と世界一のばか」 ばか・・とは、ストレートですが、 仲間のおかげで、助かるお話です。 2010.3.1の記事に、加筆して画像を入れ替えました。 |
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