アンガスのいる本棚

絵本の勉強会や、読み聞かせの経験からおすすめの絵本や児童書たちです。

2007年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2007年12月

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「イルカの家」

まるでその時代を、目の前に見せてくれるような文章。
さすが、サトクリフです。
イルカの家イルカの家
ローズマリー サトクリフ Rosemary Sutcliff 乾 侑美子

評論社 2005-01
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時代は、16世紀のイギリス。
もうすぐ、大航海時代を迎えようとしているころ、
その船にあこがれる少女と青年。

少女は、両親を亡くし、預けられた祖母もなくなり、
おじのところに預けられることになります。
大好きな場所から、離れることは、9歳の子にとって酷なことです。

でも、おじさん一家はとても親切でやさしいのです。
それでも、なかなかなじめずにいると、
共通の思いをもっている青年と心通わせるようになります。

一人ひとりの人間像が丁寧に、暖かく描かれていて、
読んでいると、暖かい気持ちになります。

また、子どもたちそれぞれの年齢にあった言葉や態度が、
細かく描かれています。

主人公が9歳という、守られている存在から
世界の厳しさを知る年齢というのも、偶然でしょうか。

この時代の時代背景、風習などが、興味深いです。
当時は、床に葦をひいて、香草市場から買ってきた香草を床にばら撒いたり、
シーツといっしょにラベンダーを入れて、匂いをつけたり。
まるで、今のアロマテラピーのようです。
トイレの整備が行き届いていない時代なので、匂いがひどかったのでしょうか。

サトクリフのほかの作品は、過酷な状況下での子どもの話が多いので、
これは、かなりめずらしいです。

| 高学年向け児童書 | 20:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「鬼のうで」

今日、6年生に読み聞かせした絵本です。
どんよりと、雨がふりそうで、ふらない天気。
こんな日に、読むと雰囲気が出るのでは。
鬼のうで鬼のうで
赤羽 末吉

偕成社 1976-01
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現在、絶版なのがなんとも、もったいないのですが、
一度は、耳にしたことがあるでは?
鬼が捕られた腕を、取り返しにやって来るというお話です。

源頼光(みなもとのらいこう)が酒呑童子をたいじに行って、
その中の一匹の鬼を取り逃がしてしまいます。

その鬼が、羅生門で女をさらう、その数、百人。
そこで、頼光の家来で、一番強い渡辺綱が鬼退治へ。

羅生門では、なまぬるい風と、ぽつーんと降って、止む雨。
鬼のお出ましかと、身構えるも、待ても待っても出て来ない。
怖気づいたかと、ばかりにからからと、笑う綱。
しかし、次のページには
画面いっぱいの鬼の姿。  圧巻です。

そうして、なんとか鬼の腕を切り落とし、持ち帰ろうとするのですが、
このときは、失敗します。
そのあと、頼光が病気になり、鬼のたたりといわれます。
そこで、再び、鬼退治へと出掛けます。

鬼との知恵比べや、化かしあいなど、おもしろい展開があります。

絵と文は、「スーホーの白い馬」「大工と鬼六」などで有名な、
赤羽末吉です。
鬼六と同じく昔話などの絵は、迫力があります。

怖いお話かと思えば、小首をかしげて悩む鬼の姿など、
どこかユーモラスです。

どばっと血をふいた。など生々しい表現もありますが、
鬼を退治するのですから、すっきりとした言葉は、必要です。
三匹のこぶたが、敵の狼と仲良くするお話など、
後味が悪く、いつまでも、引きづるではないですか。

悪は、悪。すっきり倒さなくては!

| 昔話 | 15:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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