家庭文庫をやっています。ぶんこにある絵本・児童書の紹介ブログです。
 
 
 
 
「イルカの家」
 
 
【2007/11/09 20:24】
 
 
まるでその時代を、目の前に見せてくれるような文章。
さすが、サトクリフです。
イルカの家イルカの家
Rosemary Sutcliff 乾 侑美子

評論社 2005-01
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時代は、16世紀のイギリス。
もうすぐ、大航海時代を迎えようとしているころ、
その船にあこがれる少女と青年。

少女は、両親を亡くし、預けられた祖母もなくなり、
おじのところに預けられることになります。
大好きな場所から、離れることは、9歳の子にとって酷なことです。

でも、おじさん一家はとても親切でやさしいのです。
それでも、なかなかなじめずにいると、
共通の思いをもっている青年と心通わせるようになります。

一人ひとりの人間像が丁寧に、暖かく描かれていて、
読んでいると、暖かい気持ちになります。

また、子どもたちそれぞれの年齢にあった言葉や態度が、
細かく描かれています。

主人公が9歳という、守られている存在から
世界の厳しさを知る年齢というのも、偶然でしょうか。

この時代の時代背景、風習などが、興味深いです。
当時は、床に葦をひいて、香草市場から買ってきた香草を床にばら撒いたり、
シーツといっしょにラベンダーを入れて、匂いをつけたり。
まるで、今のアロマテラピーのようです。
トイレの整備が行き届いていない時代なので、匂いがひどかったのでしょうか。

サトクリフのほかの作品は、過酷な状況下での子どもの話が多いので、
これは、かなりめずらしいです。


テーマ:洋書の児童書 - ジャンル:本・雑誌

 
 
 
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